落語に興味がでてきたけど、どんな演目から聴いたら良いのか分からない…。
落語は古典芸能なだけに、とっつきにくいと感じてしまう人も多いと思います。
今記事では、そんな人のために落語の知識がなくても面白いおすすめの落語家と、YouTubeで聴ける演目をご紹介します。
(そもそも落語を楽しむのに、前提知識などは必要ないですが…)
今記事は立川談春師匠の「赤めだか」を読んで落語に興味を持ち、学生時代は月に1度ほどのペースで寄席に通い、数回落語の独演会に行ったことがある、落語通とまではいかないまでも、落語好きの筆者がお届けします。
個人的には、時間に比較的余裕のある学生さんはもちろん、第一線で戦っていて、疲労とストレスを抱えたビジネスマン・OLの方々にこそ落語を聴いてもらいたいです。
それでは早速紹介を始めていきます。
立川志の輔
出典:https://www.kannaihall.jp/detals/000022.php
立川志の輔師匠は、「ためしてガッテン」や龍角散のCMなどでお馴染みの最も有名な落語家の一人だと思います。
志の輔師匠の師匠は、有名な立川談志師匠で、生前は名人芸であった落語はもちろんのこと、参議院への出馬や、立川流の創設など話題にこと欠かない人でした。
志の輔師匠は、古典(江戸中期から明治にかけて作られた伝統的な演目)も、新作(戦後以降に作られた新しい演目、落語家自身がオリジナルで作って演じることが多い)も、どちらも得意としています。
志の輔師匠の落語はとにかく面白く、現代に生きている落語家の中では、人気・実力ともにNO1の呼び声が高い生きる名人です。
みどりの窓口
みどりの窓口は題名の通り新作落語です。
みどりの窓口で切符を売っている職員のところに困ったお客ばかり来て…というあらすじです。
特にこの演目はサゲ(落語の終わらせ方)に掛けて大爆笑となっています。
現代の話なので、イメージがしやすく、何より面白い演目なので、初めて聴く落語に最適です。
へっつい幽霊
へっつい幽霊は題名からすると、幽霊が出てくる怖い話のように聞こえますが、笑える滑稽話です。
へっつい幽霊は古典落語で、道具屋に置いてあるへっつい(かまど)を巡った、幽霊騒ぎについてのお話です。
ここで出てくる幽霊は、昔話に出てくる幽霊像とかけ離れており、熊さんとの掛け合いでクスッと笑ってしまいます。
個人的に志の輔師匠のへっつい幽霊が大好きで、何度も聴いているのですが飽きない名作だと思います。
柳家喬太郎
出典:https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=11015282
柳家喬太郎師匠は寄席の4番バッターと言われる人気落語家です。
喬太郎師匠は古典落語であっても、現代的な感覚を取り入れてた笑いがとても面白いです。
また熱狂的なウルトラマン・マニアとしても知られていて、コアなウルトラマンギャグも時折みられます。
とにかく落語中に挟むギャグが面白く、志の輔師匠に並んで、初めて聴く落語家としておすすめです。
歌う井戸の茶碗
歌う井戸の茶碗は、井戸の茶碗という古典落語に喬太郎師匠が演出を加えた演目です。
井戸の茶碗の内容は、お人好しのくず屋の清兵衛が、貧乏長屋に住む千代田卜斎(ぼくさい)から仏像を買取り、その仏像を買った細川家の家来・高木佐久左衛門が仏像の中から五十両の金を見つけてしまいます。
仏像は買ったが、五十両の金は受け取れないという高木佐久左衛門と、金を受け取ることを拒否する千代田卜斎の間で、お人好しの清兵衛が奔走する人情噺です。
人情噺ではありますが、喬太郎師匠が随所にギャグを入れており、滑稽話のように面白く聴けます。
また題名の通り、途中で喬太郎師匠のオリジナルソングが挿入されており、落語でありながらミュージカルを聴いているかのような気持ちになれます。
コロッケそば
コロッケそばは、落語の敷居を下げてくれるとても面白いまくら(落語の話に入る前の世間話)と、時そばを組み合わせた落語です。
内容の前半は喬太郎師匠が大好きな立ち食いそばについて語っており、後半は有名な時そばの落語となっています。
時そばは、そばの勘定のごまかしを目撃した男が、それを真似るという滑稽話です。
めちゃくちゃ面白いラジオを聴いている気分で聴いて欲しい一席です。
この演目を聴くと、立ち食いそばを食べたくなってしまうのでご注意を!笑。
十代目 柳家小三治
出典:https://www.u-canshop.jp/kosanji2/
柳家小三治師匠は人間国宝の落語家として、落語界を代表する名人でした。
2021年の急死は、落語の一つの時代が終わったと落語ファンは大きく落胆しました。
小三治師匠はまくらがとても面白く、まくらだけを収録したCDも発売されています。
名人らしい確かな語り口調で、聴く人を江戸時代に誘ってくれます。
初天神
初天神は、天神様へお参りに行く父親と、そこに連いていった息子とのコミカルな掛け合いが面白い演目です。
初天神での小三治師匠が演じる息子が、子供らしい可愛げがありながら、大人顔負けの駆け引きをして飴を買ってもらう所などが面白くて笑ってしまいます。
比較的短くて、面白いので古典落語の入口としてもおすすめです。
春風亭一之輔
出典:https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=4A040138
春風亭一之輔師匠は、笑点メンバー入りしたことで話題性もある落語家です。
しかし、一之輔師匠は笑点メンバーになる前から若き名人として、落語界ではスタープレイヤーでした。
いつも気だるそうな雰囲気で話し始める独特なフラ(生まれ持ってるおかしさや愛嬌)がありながら、小三治にも「久々の本物」と称賛された実力は折り紙付きです。
初天神
いやいや、また初天神か!と思われるかもしれませんね。
しかし、落語の古典は全部で200〜300席ほどと言われており、基本はその少ない演目数で回していくので、何回か寄席に通ったりすると、当然前に聴いたことがある「カブり」が出る訳です。
ただ、落語は話の内容を知った上で、演者による違いを楽しむ芸能です。
一之輔師匠の初天神では、息子の子憎たらしさが強調された演出になっており、現代風のギャグも折り込むことで、小三治師匠の初天神とはまた違った魅力があるので、ぜひ聴き比べをしてみて下さい。
まとめ
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