坂の上の雲 秋山真之の名言に学ぶ

  • 2020年8月15日
  • 2020年10月10日
  • 歴史
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人間の頭に上下などない
要点をつかむという能力と、
不要不急のものは切り捨てる
という大胆さだけが問題だ。

引用:地球の名言

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引用:Wikipedia

秋山真之は明治時代~大正時代の海軍軍人です。明治維新が起こった年に愛媛県松山市に生まれました。兄は海軍大将で「騎兵の父」といわれた秋山好古です。

松山中学を中退し上京をして共立学校(今の開成高校)、大学予備門(現在の東京大学教育学部)で勉強をしました。

その後大学予備門を中退して海軍兵学校に入隊、首席で卒業しています。

「智謀湧くが如し」と謳われ、日露開戦では海軍参謀として、当時世界最強と言われたバルチック艦隊を殲滅するための作戦を立案し、実行しました。最終階級は中将。

 戦うからには必ず勝たねばねらない

絡む人のイラスト

戦うからには勝たねばならない

戦いには戦術が要る。
戦術は道徳から開放されたものであり、
卑怯もなにもない。

引用:地球の名言

真之は学生時代山当ての天才であり、「試験というものは過去の統計と、先生の癖や普段の挙動をみていれば出る問題は大体分かる。」と言っています。

これに対し、兵学校の同級生からそれは卑怯ではないかと問われ、上記のように返答しています。この時から参謀として素質が垣間見られるエピソードです。

尚、山当ては最後は直感が必要とも言っており、この感覚は真之独特のものなので、簡単にまねをすることは難しいようです。

孫氏の兵法にもあるように、戦争は国家の一大事です。どのような形であれ、勝たねばなりません。

 一流になれ

決心した人のイラスト(男性)

学問は、二流。学問をするに必要な根気が二流。

引用:坂の上の雲

「試験の神様」と呼ばれた真之が大学予備門を辞める際に、辞める理由を兄好古に問われた時の返答です。

真之は「自分は要領が良すぎる為、学問を成す根気が二流なのだ」と言って学問の道を諦め、海軍に入りました。

学費と生活費が好古頼りであった事が忍びなかったというのが本当の理由かもしれませんが、人間は兎も角も自分の器量が最大限発揮できる場所を選らばなければなりません。

予備門時代の真之と正岡子規は、もう大学予備門の学生というだけで立身出世が叶う時代は終わった。我々は生まれる時代が遅かったという会話をしています。

後に真之は歴史の浅い海軍へ、子規は短歌・俳句の再検証を行い新風を起こしました。

二人とも時代や世の中のせいにすることなく、才能を最も活かせる分野を見つけ挑戦をしたことで後世に残る偉業を残しました。(子規も大学予備門を中退しています。)

 人の頭には上下などない、どんな状況にも対応できる性格を創り上げろ

目からうろこのイラスト(男性)

明晰な目的樹立、
狂いのない実施方法、
そこまでは頭脳が考える。

しかし、それを水火の中で
実施するのは、頭脳ではない。
性格である。

平素、そういう性格を
つくらねばならない。

引用:地球の名言

真之は人の頭には上下はないという論を持っています。

目的達成に向けて必要な能力以外は、実行力・思考力・努力に至るまでその人間の培ってきた“性格”が実行します。

その為平素から“性格”、引いては自分を創り上げておくことが重要であると語っています。

このような「自らを創り上げる」姿勢と「重要なこと以外は切り捨てる」という思考は、兄好古と共通しています。

 固定観念に捕らわれるな

津波から逃げる人々のイラスト

海軍とはこう、艦隊とはこう、
作戦とはこう、
という固定概念がついている。

恐ろしいのは固定概念そのものではなく、
固定概念がついていることも知らず
平気で司令室や艦長室の
やわらかいイスに座り込んでいることだ。

引用:地球の名言

真之は固定観念を船底に付くかきがら(貝殻や海藻等)に例えています。

船は世界を半周もするとかきがらが付いてしまい、本来の速度を出せなくなる。

これは人間も同じで経験は大切だが、経験を積むと固定概念が付いてしまうのです。

そのことに気付かず、経験則だけで勝負に挑むべきではないということです。

人間は特に今まで常識としていた事が覆され、新しい環境に適応する必要があると、多少なりとも不満を感じます。

しかし、固定観念を持つことなく変化を歓迎する姿勢を持たなくてはなりません。

 戦いの被害は最小限に

ぴえんのイラスト(女性)

流血のもっとも少ない作戦こそ
最良の作戦である。

引用:地球の名言

「智謀湧くが如し」と謳われた男は、日露戦争後のゆがんだ帝国主義による軍人精神は持ち合わせていませんでした。

寧ろ死に対して人一倍衝撃を受けるところがあり、その点は軍人に向いていなかったと思われる程です。

日露戦争後は出家し英霊を供養するために軍人を辞めようとしましたが、同僚に説得され思いとどまっています。

 まとめ

・人の頭には上下はありません。事に当たるのに十分な“性格”を平素から創り上げておけば事は成せます。

・戦うからには必ず勝たねばいけません。

・本当に大切なこと以外は切り捨てる大胆さを持っていなくてはなりません。

・固定観念は時として前進するための大きな足枷になります。常に新しいことを学ぶ姿勢を持ち続けましょう。

・自分の力が最大限発揮できる場所で働きましょう。

 

 

 

 

 

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